【メディア情報】 スポーツニッポン 長野支局 5月21日付掲載

【スポーツニッポン長野支局掲載】

5月21日付『日本デフバドミントン協会と提携』の記事がスポーツニッポンに掲載しました!

 

 バドミントンの長野パルセイロが日本デフバドミントン協会と提携し、聴覚障がい者の競技力向上を支援することになった。4月末に山崎広一監督(40)が埼玉県で行われた日本代表合宿にコーチとして初参加。7月の世界選手権(台湾)直前には南長野運動公園で合宿が行われ、パルセイロの選手も協力してメダル獲りを支援する。  ルールはバドミントンと同じながら、補聴器の使用が許されない聴覚障がい者による競技は選手にとって静寂の世界で行われる。観客には一見、大きな違いはないように見えるが、日本デフバドミントン協会の秋山雅彦理事(40)は「全ての判断を目に頼らざるを得ない。聞こえる人と比べて最初の1歩がどうしても遅れがち。コンマ何秒の遅れはプレー面で大きな影響を及ぼす」と解説する。  聴力があれば相手の打球音で強打か軽打か聞き分けて無意識に体が反応し、ダブルスなら相棒の掛け声で連係をスムーズにすることが可能。初めて合宿で指導したパルセイロ監督の山崎氏は「打球音が弱ければ(返球は)前しかないと判断できる。聞こえないのは相当なハンデ。ダブルスでは真ん中の球に2人の動きがかぶったり、見合わせたりすることもある」と指摘する。  今回の合宿ではダブルスの約束事を徹底。「プレーの組み立てをルール化した」。相手のどこを攻めて、どう守るか…。返球の方向や種類に応じて連係や対応のパターンを体に落とし込む。練習の意図や狙いを説明する際は手話通訳が必要なため、通常より2倍程度の時間が必要になるが「ハングリーなものがあって学ぼうという意欲、上を目指す姿勢は素晴らしい」と言う。  親交があった知人の紹介を受け、就任を決断したという山崎氏。「社会貢献はパルセイロの目指しているところ。うちの選手にとっても心の教育というか、人間的に成長できる」。7月6、7日に長野市で行われる代表合宿では男子S/J2(2部)、女子チャレンジ(3部)でプレーするパルセイロの選手も参加して世界選手権に向けて練習相手となる。  これまで実業団レベルの選手と練習する機会がなかった中、秋山理事は「より専門的な指導を受けられる。練習環境改善で競技力が向上し、デフバドミントンが進化できると期待しています」と力を込める。パルセイロとの提携で来年以降、代表合宿は長野のみで行われる見通しで、信州が競技発展の礎を築く舞台となりそうだ。  

○…聴覚障がい者の総合スポーツ大会としてデフリンピックが4年に一度、行われている。1924年に初めて開催され、60年に始まったパラリンピックよりも歴史が古い。しかし「肢体不自由(車いす、義手。義足使用など)」や「視覚障がい」「知的障がい」などが対象のパラリンピックに比べて認知度で下回る。秋山理事は「五輪やパラリンピックのメダルは報奨金が出ますが、デフリンピックにはありません。スポンサーも不足しています」と漏らす。大会渡航費の自己負担もあり、環境改善が課題となっている。  

○…聴覚障がいは目に見えないこともあって、デフバドミントンの競技人口は日本協会でも正確に把握できていないのが現状。国内で150~200人と見られ、秋山理事は「選手発掘に苦労しています」と話す。クラブチームもあるが、健常者の大会に出場するケースも少なくない。今回の合宿には男子9人、女子8人の選手が参加。男子で松本市出身の太田歩(28)は17年デフリンピックで混合ダブルス8強などの実績がある。女子ダブルスの沼倉千紘(29)、長原茉奈美(25)組は世界選手権でも有力なメダル候補で、山崎氏は「金メダルの可能性もある」と期待している。  

スポーツニッポン 長野支局 東 信人

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